冒頭
本日は、国の契約の競争性について、公開データの集計を基に建設的に伺いたいと思います。率の話ではなく、同じ事業で同じ事業者の1者応札が複数年度に記載されたケースから入ります。
各府省が調達改善計画に基づき、公告期間の延長や仕様の見直しなど1者応札の改善に取り組んでおられることは承知しており、評価したいと思います。
このサイトで分かっていること(通告・事前レクで固める数字)
- 私どもが2023〜2025年度(2025年度は暫定)の契約を事業者(法人番号)ごとに集計したところ、同じ事業で2年度以上1者応札が記載された事業が、富士通で34事業(うち3年度とも記載は18事業)、NECで38事業、NTTデータで29事業、日立製作所で19事業あります。これらの事業での1者応札は3年度の合計で、富士通1,017億円(応札者数の記載がある競争入札219件のうち201件)、NEC 654億円、NTTデータ541億円、日立製作所307億円です
- 該当する事業はハローワークシステム運営費(1者応札の年度計316億円)、防衛情報通信基盤の整備(153億円)、中央指揮システムの個別維持(106億円)、e-Tax、戸籍情報連携システムなど、システムの運用・保守に集中しています
- RSに記載された一般競争・指名競争では、応札者数の記載がある16,948件のうち8,134件(48%)が1者応札で、金額9,036億円。落札率の単純平均は1者応札93.0%、複数応札82.2%で、契約方式・府省・金額帯で分けても6〜13ポイントの差が残ります
- 1者応札が特に高い府省は原子力規制委員会73%、環境省68%、海上保安庁63%、文部科学省62%。防衛省は53%で金額2,482億円
参考人への事実確認(数字と、なぜそうなっているか)
- 同じ事業で同じ事業者の1者応札が3年続いている契約の件数を、政府として把握しているか(想定答弁:把握していない)
- システムの運用・保守で既存ベンダーの1者応札が続く契約について、競争性の検証(仕様の分離、設計情報の開示、次期更改での複数者参加)を誰がいつ行ったか
- 1者応札が特に高い府省(原子力規制委員会73%、環境省68%、文部科学省62%)について、特殊な装備・施設によるものと、仕様や公告期間によるものを分けて要因を分析しているか
答弁を受けての受け止めと提案
ありがとうございます。各府省で把握されているということですが、横断の数字が無いということは、民間の集計でしか全体像が見えない状態だと受け止めております。特殊な装備や施設はやむを得ないという点も理解いたしますが、同じシステムの保守で複数年度にわたり1者応札が続く背景には、既存ベンダーの情報優位もあるのではないかと思います。
大臣への問い
同じ事業で同じ事業者の1者応札が2年度以上記載されたケースが、1社で30事業を超えています。システムの保守であれば継続に合理性があることは理解いたしますが、それならば競争入札の形式を取るより、随意契約の理由を明示したうえで原価を検証するほうが、国民に説明しやすいのではないでしょうか。大臣の御認識を伺います。
大臣へのお願い(期限・形式つき)
同じ事業で同じ事業者の1者応札が3年以上続く契約について、府省横断で一覧を作り、次期更改までに競争性の検証を行う期限を定めていただけないでしょうか。検証の結果は公表をお願いしたいと思います。
文書・委員会で取る数表(提案。党として主意書・検査要請は未使用)
質問主意書で求める数表:府省別・年度別(2022〜2024年度)の競争入札件数、1者応札の件数と金額、平均落札率。同じ事業者の1者応札が3年続く契約の一覧。答弁書の数字をこのサイトの集計と突き合わせる
委員会として:国会法105条に基づき、1者応札かつ落札率99%以上の2,038件・2,352億円について会計検査院に検査を要請することを理事会で諮る。大臣の約束に依存しない
締め
否定できる数字ではないと受け止めました。翌年のシートで同じ事業者の1者応札が続いているかを私どもも確認してまいりますので、横断の一覧と検証の期限、是非お願いいたします。
仕組みの提案(こう作ればできる)
契約に年度をまたぐIDが無いため、連続受注は事業IDと法人番号の近似でしか追えません。契約IDを付けて公開APIに載せれば、連続1者応札の一覧は政府も民間も同じ数字で作れます。私どもの事業者別の一覧は、その試作です。
翌年の検証:翌年度のシートで、事業者別の一覧の「同じ事業で複数年度に1者応札」事業数と金額を再集計する。主意書の答弁書の数字と比較する
問う価値:率の議論は「予定価格は適正」「特殊な装備」で流されるが、同じ事業・同じ事業者で複数年度にわたる1者応札がある場合、合理的な理由があるなら随意契約にすべきで、競争入札の形式を取る理由を政府が説明せざるを得ない。
読み方の注意:1者応札には参入障壁が合理的なものを含む。連続受注は事業ID単位の近似で、同じ事業の中の別契約を続いていると数える可能性がある。「2年度以上」は連続とは限らず、2023・2025年度のように間が空くものを含む。金額は3年度の合計。落札率の差を金額に換算した額は、割高分の推計と誤読されるため示さない。主意書を先行させる場合は答弁書(7日)が出てから質疑に立つ。
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